神戸の相続・遺産分割・共有不動産問題は
坂田法律事務所
弁護士 坂田 智子
(兵庫県弁護士会所属)
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遺産に収益不動産があると、毎月たくさんの賃料の入る不動産はみんなが欲しがり、古くてあまり賃借人の入らない収益不動産はみんなが嫌がり、収益不動産は遺産分割の話し合いをまとまりにくくする原因になりがちです。
結局、遺産分割協議を中断したまま、何年も経ってしまうことがあります。
しかし、遺産分割協議が中断している間も、収益不動産の賃料が入ってきます。逆に、修繕や管理に費用が掛かっています。相続人のうちの一人が管理することになります。
あなたが管理しているとしたら…
例えば、空き部屋に新しい賃借人を入れるために、あなた好みの建物に大規模改装をしたいのですが、その費用を賃料から出していいでしょうか?
清掃や管理業務をしたら、その労務はあとで経済的に評価してもらえるのでしょうか?
あなたのごきょうだいが管理しているとしたら…
いつか遺産分割が成立したら、過去の賃料も分けて貰えると思っていませんか?
5年を経過した賃料収入については、時効でごきょうだいに請求できなくなります。
放置している間にほかの法律問題が発生してしまうので、遺産に収益不動産がある場合こそ、
なるべく早く遺産分割を済ませて、収益不動産の帰属を確定したほうがよいのです。
遺産不動産を売却せず、相続人の中の誰かが取得する場合は、遺産不動産の評価額を出して、法定相続分より多い部分があれば、他の相続人に代償金を支払うことになります。
ところが、遺産分割での遺産不動産の評価額は一義的に明らかになるものではありません。
詳しくは、「遺産分割での遺産不動産の評価方法」のコラムをご覧ください。
遺産を取得する側は「古い建物だから2000万円。1000万円の代償金を渡します。」と提案していますが、他方の相続人は「毎月50万円も賃料が入ってくるのに、それでは私がそんなんじゃない?」と思っているのかもしれません。黙り込んでしまいました。もやもやとした空気の中、遺産分割協議が行き詰まってしまいます。
そのまま放置しがちですが、収益不動産がある場合は、次のように権利関係が複雑になるので、少しでも早く収益不動産の帰属を確定させることをお勧めします。弁護士にご相談ください。
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遺産分割未了の不動産は、法定相続人全員による法定相続分ずつの共有になります。遺産共有という状態で、これを誰かの単独所有にするには遺産分割をするしかありません。
被相続人名義の不動産は、法定相続人の一人だけでも相続登記をすることが出来ますが、
法定相続人全員の法定相続分ずつの共有登記になります。
遺産不動産が収益不動産の場合、その賃料は、共有者、すなわち、法定相続人全員が法定相続分ずつ取得する権利があります。
5年ほど遺産分割未了の状態が続くと、5年後に遺産分割をする際に、被相続人が亡くなってから5年分の賃料を清算することが多いです。
5年分以上の清算が必要になると、賃料の清算は遺産分割のついでに片づけるには複雑になりすぎるので、不当利得返還請求訴訟という、ほかの相続人らから遺産不動産と賃料の管理をしていた相続人に対して、不当利得返還請求訴訟という別の訴訟をして解決しなければならなくなることもあります。
遺産共有状態の間も、相続人の誰かが、賃料を回収し、遺産不動産を修繕し、固定資産税を支払う必要があります。
ご両親がご存命の時から事実上相続人の一人が遺産不動産の管理を始めている場合など、事実上そのまま管理を続けざるを得ない状態です。
不動産業者に賃貸管理を任せると費用が掛かるからと、相続人が賃貸物件の掃除をしたり、入居者対応をしたり、消防署の講習に出かけたり、かなりの時間と労力をかけている場合もあります。
でも、上記の通り、遺産分割未了の間は、遺産不動産の賃料は、法定相続人全員が法定相続分ずつ権利があるので、いつか清算をすることになります。
その清算の時に、「頑張って良い管理をしてきたからこの賃料が維持できている」「満室が維持できている」という評価を金額に反映して賃料が分配されることは、あまりありません。
きちんと自分の不動産にしてから不動産管理をがんばらなければ、悔しい思いをすることになります。
遺産分割未了の遺産不動産は、上記の通り法定相続人全員の共有です。共有不動産の管理は、共有者の過半数で決めなければいけない、と民法で決まっています。
例えば、賃貸契約を締結することも「管理」にあたります。
きょうだいで2分の1ずつの共有状態になっていて、管理をしている一人が勝手に賃貸借契約を締結を締結しても法的には保護されません。不動産業者さんに賃貸の仲介をお願いしても、一人だけからの依頼は受けて貰えないはずです。
壁紙を張り替えたり、外壁を塗り替えたりするのも「管理」です。業者さんは一人からの依頼でもお金さえ払えば請け負ってくれるでしょう。
でも、いつか、「賃料」と「費用」の清算をするときがきます。そのときに、「私はその工事に同意をしていない。そんな高い工事費用は認めない。」という争いになる恐れがあります。
いろいろ思われるところはあるはずですが、放置はよくないです。
待つ場合にも、弁護士に相談して戦略的に待ってください。