アパートなどの収益不動産が共有名義なのに、家賃を共有者の一人が独占してしまって、分けてもらえない場合があります。
共有不動産の収益は、共有持ち分に応じて共有者のものになります。
賃貸借契約書に署名押印をしているのが共有者の一人であったとしても、署名していない共有者も、持ち分に応じて賃料を受取る権利があります。
遺産分割がまとまらないまま、相続人の誰かが遺産である賃貸マンションを事実上管理していて、賃料も取り込んでしまっている場合でも、同じです。
時間が経てば経つほど収益と費用の清算が難しくなります(コラム「収益不動産の遺産分割を放置してはいけない理由」参照)。
当事務所では、相続・遺産分割・共有不動産に関するご相談は、初回無料です。
一度、お気軽にご相談ください。
過去の賃料収入の、あなたの持ち分に応じた部分は、本来あなたが受け取るものなのに、それを取り込んでしまった共有者に対しては、「それを返してください」と請求する権利があります。
もっとも、共有不動産の固定資産税や管理のための費用なども、共有持ち分に応じて負担しなければいけませんから、その分は差し引かれます。
5年を超えて放置すると、消滅時効を主張されて回収できなくなるので注意が必要です。
賃借人から直接、共有持ち分に応じた賃料を振り込んでもらうことができれば、こちらとしては便利です。
賃借人に対して、共有持ち分に応じた賃料の支払いを請求する権利はあります。
しかし、一般の賃借人の方は、不動産の共有持ち分権者とはいえ、突然、契約書に書いてある賃料振込口座ではないところに、家賃の一部を支払ってくれと言ってこられたら、慎重になってしまいます。
「ややこしいことに巻き込まれるのはいやだから」と退去されてしまうのも困ります。
共有不動産の管理に詳しい弁護士と相談しながら、慎重に進めてください。